久しぶりのブログ更新です。昨日19日は函館のあるロワジールホテル主催の公演。オペラ de Show!!! 2016 創作オペラ《バッハ家の結婚騒動》と題し、ホテルで楽しむオペラショーでした。

この企画はこれで第3弾。1,2回目はペルゴレージの《奥様女中》を題材としましたが、今回は新ネタ披露ということで、バッハのコーヒー・カンタータを題材として、このショーの為に僕が脚本を書きました。

登場人物のシュレンドリアンをヨハン・ゼバスティアン・バッハに、リースヒェンをバッハの2番目の奥さんアンナ・マグダレーナに変更。バロック時代に流行していたコーヒーにうつつを抜かす結婚前のアンナに対し、それを止めさせようするゼバスティアン・バッハという設定としました。

ゼバスティアン役の僕と、アンナ役の次藤正代さん
  

そして、このショーは楽器がチェンバロとヴァイオリンのみというミニマムな編成。というわけで楽器奏者にも演じてもらい、ヴァイオリニストの丹沢広樹くんが次男カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ役、チェンバリストの森洋子さんが四男クリスティアン・バッハ役として、両親が結婚したロワジールホテルで結婚前に起こったコーヒー騒動を回想するというシーンから始めました。

 バッハ家の家族写真?! 

このショーはロワジールホテルの協力が必要となります。舞台は極力ホテルにあるものを使い、広間の照明を最大限に使います。さすがに結婚披露宴で演出をしているだけあり、ホテルマンの手慣れた照明演出が場を盛り上げます。舞台中央には花道を作り、そこをヴァージンロードと見立て、終曲は結局アンナがコーヒーを飲むことを許し、ゼバスティアンも実はコーヒー好きだったという結末で、結婚することに。ここでサプライズゲストとして、結婚の保証人としてホテルマンを舞台に上がってもらい即席神父役を。お客様に見守られつつ、ヴァージンロードを通り、お客様に花びらを渡してフラワーシャワーをしてもらいつつ終幕となりました。

   
 
演奏曲はコーヒー・カンタータを柱に、序曲代わりにクリスティアン・バッハ作曲のヴァイオリンオブリガート付きチェンバロソナタを、アンナの登場シーンには結婚カンタータのアリアWeichet nur を、途中「コーヒー止めないのならば、婚約解消だ!」と突きつけられたシーンでは、ヴァイオリン・ソナタ e-moll BWV1023から1,2楽章でアンナの衝撃と悲しみを表現、怒るシュレンドリアンのシーンではイタリア語の世俗カンタータ《Amore traditore》BWV203からチェンバロオブリガートのアリアを挿入しました。

またアンコールには、農民カンタータの終曲に「さぁみんなで一緒に飲みましょう。そう!コーヒー飲もう」と日本語に変更。四人の出演者それぞれに見せ場をもたせつつ、クリスティアンのソナタ以外は、すべてJ.S.バッハの曲で構成しました。

曲中、フルートのオブリガートアリアがあるのですが、それはアンナに乗せられてつい伴奏してしまったという設定で僕が吹きました。若干メイクで口紅をしており、ちょっと滑ってきそうで大変でしたが。(笑)

  
というわけで、僕らだけで演じるのではなく、お客様にも舞台に入っているような雰囲気を持ってもらいつつ、ホテルスタッフとも一緒に作り上げていくオペラショーでした。

いつもはお食事後に上演、終演後にスタッフ全員で記念撮影する流れなのですが、今回は上演後に別室にてお食事という流れに変わったためサービスをせねばならず、記念撮影が主要メンバーのみとなってしまい、ちょっと寂しい写真になりました。でも、ショーの後もサービスしているホテルマンの皆様には感謝です。

  
そんなこんなで、素敵なオペラ de Show!!!2016は大盛会のうちに終幕しました。

そして今日はなんと僕の誕生日。いよいよ30代最後の1年となりました。

大学での教育活動に、演奏活動、その他諸々と年々忙しさが増しておりますが、周りの皆様に支えらえ、こうして元気に活動ができていることに日々感謝致します。

今度ともよろしくお願い致します!!!

 
  
※追記  3/22函館新聞に記事が掲載されました。